愛知男子by出口雅浩

ベテランの選手から、Mr.愛知初挑戦の選手まで、総勢30名の参加で開催されました。優勝した加藤選手の「たくさんの人に支えられて、今日を迎えることができました」という選手宣誓で始まり、「日々、トレーニングができることが幸せです」という優勝インタビューで幕を閉じました。
選手の目標は、優勝であったり、予選突破であったりと人それぞれだと思いますが、会場からの温かい声援を耳にすると、選手全員が「加藤選手の言葉」と同じ気持ちでステージに立っていることがうかがえました。
勝負は一瞬で決まりますが、そこに至るまでの努力は無限にあると思います。それぞれの選手が壁を乗り越えてステージに立っている姿は、本当に素晴らしいとあらためて感じました。

ラインナップの段階で、今年はアウトラインがきれいな選手が多いように思えました。どの選手も仕上がりもよく、上位争いだけではなく、予選のボーダーラインでも混戦が予想されました。その中でも特にプロポーションがよく、仕上がり、ポージングの技術、すべてのバランスがとれていた加藤選手が満票一致で優勝を果たしました。





優勝 加藤伸久

22年前と同じようにMr.愛知の頂点に立たれた加藤選手。おめでとうございます!
今回の優勝は、多くの人の心に響きました。しばらく大会を離れている選手は勇気を与えられ、新人の選手は、努力し続けることの大切さを学んだのではないでしょうか。
 規定ポーズから落ち着いて、隙のないポーズをとられていました。特に予選ファーストコールのときは、「さすがベテラン!」と思えるほど、心身ともに「この瞬間」にピークを持っていかれたと思います。フリーポーズも見ている人を引き付ける高貴なオーラと、時折見せるアグレッシブなポーズのコントラストが美しかったです。今後もさらに活躍されて、レジェンド(伝説)の続きをぜひ魅せてください!

準優勝 小林計成

 例年、リラックスポーズの段階で強烈な印象の小林選手ですが、今年は少し控えめでした。ポーズをとっていくと、バルクを活かして目立つようになりましたが、コンディションはピークでは無かったかもしれません。特に、武器である大腿部のカットがあまり目立ちませんでした。上半身も広げるポーズは圧巻でしたが、絞るポーズで隙があったように思えます。
 ただ、昨年よりワイド感は増して、予選・決勝ともに3位以下の追随を許さず、加藤選手との一騎打ちになりました。小林選手がピークの状態でステージに立てば弁慶に長刀、最強だと思います。来年は表彰台の真ん中に立ってください。

第3位 中島雄太

丸みを帯びた筋肉がとても魅力的でした。下半身が特にどっしりとしていて、全選手の中で、最も重量感がありました。バルク勝負では、頭一つ抜けて目立っていましたが、大きさがある分、見方によっては「まったり」と見えてしまいました。そのため、予選のボーダーラインでもコールされてしまいました。優勝を狙うには、予選ピックアップをノ―コールで通過したかったです。
規定ポーズでは、前半のフロントはとても安定して強さを感じましたが、バックに入ったときのハムストリングス、そのあとのアブドミナルが少しあまかったように思います。調整次第では、全国レベルの大会でも闘える素晴らしい体ですので、大きな大会にもチャレンジしてもらいたいです。

第4位 久野祐介

昨年から髪型を変えての登場でした。髪型だけではなく、ステージングもイメージチェンジしたのではないでしょうか。特に既定ポーズでは、一つ一つのポーズに魂を込めて競技する姿勢が素晴らしかったです。昨年より仕上がりもよく、肌のツヤ、質感は誰よりも輝いて見えました。
トップ3との差は、背中の広がりにあったように思います。下部から広がる、翼のような広背筋があれば、その翼で一気にトップまで昇っていけると思います。


第5位 伊藤智也

 弱点の少ないアウトラインを武器に上位争いで活躍されました。シンメトリーで、パワーのみなぎる体は見事でした。仕上がりも良かったです。
ただ、ポーズを何回もとっていくと、疲れが見えて、体がフラットになってしまいました。特に規定ポーズでは、3つ目くらいまでは安定していましたが、アブドミナル&サイで力が抜けて逆転されてしまうこともありました。ポージングのスタミナ(持久力)をつけて、来年こそは表彰台に立ってもらいたいです。


第6位 越仮正敏

昨年準優勝というプレッシャー&期待の中での闘いでした。絞り込み、焼き込みも良かったですが、昨年ほどの強烈なインパクトがなく、ステージでは、体の張りが少し弱く、肌もドライな感じがしました。あと、やや体系がクラシック風な感じがしますので、今回のラインナップでは目立ちにくかったのかもしれません。
スケールの大きな体を活かして、気迫のこもったポージング、迫力満点のステージがすごくカッコいいです。来年は、万全の状態で、頂点を目指してください。


その他、惜しくも予選を通過できなかった選手の中にも、1年で大きくインプルーブしそうな選手がたくさんいました。(プレジャッジの票の割れ方がその象徴です。)前年度、上位に入っても、トーナメント戦のようにシードがあるわけではありませんので、常に向上心を持ってチャレンジし続けることが大切だと思います。
特徴や武器を活かすことも大切ですが、欠点を少なくすることで、体の印象はかなり変わります。「欠点が少ない」ということも武器なのだとあらためて感じました。来年のステージに向けて、選手の皆さんがご活躍されることを祈っています。
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